ステップメール集客を成功させる3つのポイントについて、具体例を混じえながらお話します。
まずはステップメール&メールマガジンを送る際の大前提についてです。
ポイント1 マクスウェル・サックハイムの三原則
マクスウェル・サックハイムの三原則をご存知でしょうか?
その名の通り1900年代に活躍した広告マン、「マクスウェル・サックハイム」という人物が提唱した見込み客についての「原則」になります。
マクスウェル・サックハイム氏はマーケティング・コピーライティング業界に大きな影響を与えた人物として有名ですが、彼は見込み客について次のように述べています。
Not Read:見込み客は、あなたの広告を見ない。
Not Believe:見込み客は、あなたの広告を信用しない。
Not Act:見込み客は、あなたの広告を見ても行動しない。
いわゆる「3つのNot」として知られるこの三原則は、今後ステップメールマーケティングに取り組まれる上で、必ず押さえておいて頂きたい重要なポイントです。
とても大事な要素なので、順番に解説いたします。
Not Read:見込み客は、あなたの広告を見ない。
→見込み客にとって最大の関心事は商品やサービスではなく、見込み客自身についてです。だからこそ売り手目線のメッセージではなく、見込み客の悩みや願望を理解し、それに沿ったアプロチーが必要になるのです。
そして見込み客は、日々沢山の広告メッセージに晒されていることも忘れてはなりません。従ってあなたが見込み客へ届けるメッセージは「読まれないこと」を前提に作る必要があります。
考え方としては、「忙しくて全く時間に余裕のない人が、それでも無視できずに読んでしまう広告とは?」という観点で訴求メッセージを作られると良いでしょう。
決して簡単なことではありませんが、このような意識でメッセージを届けなければ、その他大勢の広告と同様に無視されるのがオチです。
Not Believe:見込み客は、あなたの広告を信用しない。
→広告メッセージを読んでもらうことが出来たとしても、まだまだ気は抜けません。読み手はあなたの広告をこれっぽっちも信用していないからです。それどころか、疑いの眼差しで見ている可能性もあります。
この“信用の壁”を越えられなければ、最終的に購入というアクションを起こすことはできません。
読み手の信用を得るには様々なアプローチが考えられますが、1つ1つの主張に対して、理由や根拠を明示していくことがポイントになります。また、権威として知られている人物の言葉を借りることも有効でしょう。
Not Act:見込み客は、あなたの広告を見ても行動しない。
→最後に乗り越えなければならないのが”行動の壁”です。
人間は基本的に怠け者です。だからこそ広告メッセージの発信者は見込み客に対して「今すぐに行動する理由」を伝える必要があるのです。
例えば、「3名様限定」「本日締め切り」というメッセージを、あなたもどこかで目にしたことがあると思いますが、これらは「希少性」や「限定性」によって「今すぐ行動する理由」を伝えている例です。
もちろん強い煽り言葉には注意が必要ですが、「今すぐにアクションしてもらうにはどうすれば良いか?」という観点を持ち、それに沿ったメッセージをステップメール内でどう表現するかを考えることは極めて重要なポイントになります。
ステップメールマーケティングに取り組まれる際は、是非「見込み客の三原則」「3つのNot」のお話を思い出してください。これから先に出てくる、全てのお話の土台になる重要な考え方です。
ポイント2 事業ドメインを策定する
あなたがどのようなビジネスに取り組まれるとしても、まず初めに絶対にやって頂きたいことがあります。
それが、「事業ドメインの策定」です。
事業ドメインは一般的に
・ターゲット
・ターゲットのニーズ
・自社の強み
と謳われていますが、更に掘り下げて、
・コアユーザー(ペルソナ)
・ペルソナのニーズとウォンツ
・売りとなる強み=USP
これらを掛け合わせて、ユーザー(読者)のベネフィットを導きだします。
順番に解説いたします。
コアユーザー(ペルソナ)
まず第一に、ターゲットを明確に絞ることです。マーケティング用語で「ペルソナ」と表現します。ペルソナを考えるときは、「職業」「住まい」「年収」「趣味」「家族構成」「年齢」などなど、出来るだけ具体的に、詳細に絞ります。そして、最終的には「佐藤一郎さん」などのように「たった1人」にまで絞り込んでいきましょう。
理由は、売り手サイドからの情報発信を「読者にとっての自分事」として受け止めて頂く必要があるからです。
また、組織としてマーケティング活動を行う場合にはペルソナ設定が必須です。なぜなら、担当者一人一人が頭の中で思い描いているだけでは、発信するメッセージがブレてしまいかねないからです。
読者も暇ではありません。「自分にとって無関係」と感じたら、即離脱してしまうでしょう。そうさせないためにも「他ならぬ、あなたに対するメッセージ」という意識を持つ必要があるのです。
ペルソナのニーズとウォンツ
ニーズとウォンツの違いについては諸説ありますが、ここでは『近代マーケティングの父』と呼ばれるアメリカの経済学者フィリップ・コトラー氏の定義をご紹介します。
コトラー氏によれば、ニーズとは「人間生活上必要なある充足状況が奪われている状態(欠乏状態)のこと」そして、ウォンツについては「そのニーズを満たすための特定のモノが欲しいという欲望のこと」と定義されています。
ここではシンプルに、ニーズ=必要なもの、ウォンツ=欲しいものとして話を進めますが、商品販売の際は「両方の欲求を高めていくアプローチ」が必要になります。理由は片方だけでは、なかなか購買行動に至らないからです。
例えば、「トイレットペーパー」について考えてみましょう。
あなたにとって、トイレットペーパーは必要な商品でしょうか?それとも欲しい商品でしょうか?
一般的にトイレットペーパーは「欲しい(ウォンツ)」という感情よりも「必要だから(ニーズ)」という理由で購入される商品にカテゴライズされます。
ただ、少し切り口を変えることで、ウォンツに寄せることもできます。
例えば「肌に優しいシルクのような手触りのトイレットペーパー」などのようなコンセプトであれば、肌が弱い人は「多少高くてもこれが欲しい!」と考えるかもしれません。
「この商品が必要で、欲しい!」お客様をこのような気持ちにすることが出来たら、放っておいても商品は売れていくでしょう。
あなたが設定したペルソナはどのようなことに必要性を感じ、どのような欲求を持っているでしょうか?
また、あなたの商品・サービスがお客様の欲や必要性を満たせるのはなぜでしょうか?
この機会に是非、掘り下げてみてください。
売りとなる強み=USP
USP(Unique Selling Proposition)を直訳すると「独自の販売提案」となります。シンプルに言えば「その商品のウリは何か?」ということです。
USPという概念は、1961年にアメリカの広告の巨匠ロッサー・リーブス氏が提唱したもので、その基準を以下のように定めました。
1.広告は顧客に対して何かを提案しなければならない 単なる言葉の羅列や宣伝文句ではなく、「この商品を買えば、こういう利益を手にする」と伝えるべきである。
2.競合が提案していないものであること 競合が「できない」あるいは「しない」ものでなければならない。
3.その提案は多くの人を動かす力があること 提案は、多数の人を動かすほど強力である必要がある。
一朝一夕にUSPを作り上げることは簡単ではないかもしれませんが、時間をかけてでも取り組む価値があります。
何故かというと、現代は様々な商品・サービスがコモディティ化(陳腐化)しているからです。多少高くても「是非あなたのところでお願いしたい」と消費者に選ばれることが企業としては理想的ですが、そのためにもUSPを考えることは非常に重要です。
USPに関して分かりやすい事例をご紹介しますと、ドミノピザが打ち出した「ホットでフレッシュなピザを30分以内にお届けします。もし、30分以上かかったら、ピザの料金は頂きません」が有名です。
当時、30分以内にピザを届けられる業者は他にも存在したと言われていますが、顧客に対して明確に「30分」という制限時間を伝えた上で、もしそれが実現されなかったらピザを無料にするという「強い約束」をした企業は他にありませんでした。
結果、ドミノピザは宅配ピザの業界で一気にトップの地位に上り詰めたのです。
「アツアツのピザを早く届けてほしい」という消費者の要望に、企業として強い覚悟を持って取り組んだことが功を奏した事例と言えるでしょう。
ポイント3 不特定多数へのメッセージは誰の心にも響かない
以上、事業ドメインの考え方について簡単に説明させていただきましたが、なぜ、このような手間をかける必要があるのでしょうか?
その理由は、現代のような情報過多社会では不特定多数に向けた情報発信をしたところで、結局誰の心にも刺さらないからです。
例えば、あなたが通勤途中にどこからともなく「ご通行中の皆様…」という政治家の街頭演説が聞こえてきました。
それを聞いてあなたは「なんだろう?面白そうだから、ちょっと行ってみるか。何か役立つ話が聞けるかもしれないぞ!」と、心踊らせて話を聞きに行くでしょうか?
よほど暇で時間が有り余っている人や、選挙に関心が高い方であれば、そういうこともあるかもしれませんが、基本的にはスルーでしょう。
では、あなたが通勤電車の中で「10倍売れるメルマガの書き方を、たったの2時間で教えます」と書いてある広告を見かけたらいかがでしょうか?
このページをご覧になっているあなたには、おそらく高確率で刺さるメッセージかと思います。
だからこそ、メールマーケティングに取り組まれる前に「そもそも読者は誰なのか?」「読者はどんなことに悩んでいて、どのような願望を持っているだろうか?」「それに対して自社が提供できる価値はなんだろう?」ということを明確に定義する必要があります。
先ほど、現代は情報過多社会と述べましたが、一昔前の情報収集手段と言えば、テレビ、新聞、ラジオ、くらいのものでした。
しかし、現代にはインターネットがあり、個人が情報発信できるインフラが整っています。
YouTube、Twitter、Facebook、ブログ、メルマガ、LINE@、Podcastなど、実に様々な手段があり、細かいものを挙げればキリがありません。
このようなビジネス環境において、読者にあなたのメッセージを注意深く聞いてもらうにはどうすれば良いでしょうか?
その答えが、「事業ドメインの策定」であり、それを元にした各種プロモーション活動です。
読者ターゲットを明確に絞り込むことによって、ニーズやウォンツを理解し、自社が届けるべきメッセージを作り込むことで初めて、読み手に深く刺さるメッセージとなるのです。
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