マーケティングにおけるSTPとは、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の3つの頭文字をとったもので、経営学者であるフィリップ・コトラー氏が提唱しました。
コトラー氏はSTPに関して、「効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法」として紹介しています。
分かりやすく日本語に置き換えると、STPとは…
セグメンテーション=市場を細分化する
ターゲティング=狙うべき市場を決定する
ポジショニング=自社商品の立ち位置を明確にする
というステップになります。
これまで、セグメンテーション、ターゲティングについて取り上げてきましたので、いよいよ今回は「P」のポジショニング(Positioning)について解説致します。
ポジショニングとは?
ポジショニングを一言で表すと、「ターゲット顧客から見たときの優位点(優位性)」となります。
競合他社と何が異なるのか?どういった点で優位性があるのか?これらを明らかにするためにも、まずは「競合他社に関するリサーチ」と「市場のニーズやウォンツに対する理解」が欠かせません。これらを踏まえた上で、「自社のポジショニング」を検討していきましょう。
自社のポジショニングを考えるにあたっては「ポジショニングマップ」の作成がお勧めです。
ポジショニングマップとは、ある市場において商品・サービスがどのような位置づけにあるのかを、2つの軸を使って分かりやすく表したものです。
このポジショニングマップを作成するにあたっては、気をつけなければならないことが2点あります。
まず1点目に「2つの軸は必ず消費者ニーズやウォンツに合っていなければならない」ということです。いくら「独自性のあるポジショニングだ」と主張してみても、そもそものニーズが無ければ誰からも選ばれません。
もう1つは、2つの軸は「相関性の薄いもの同士で設定する」ということです。例えば、一般的に「価格と機能」は相関性が高い軸であると言えます。なぜなら機能面の充実を図る過程でコストが高くなりやすく、それに伴って売値も高く設定せざるを得なくなるからです。
このように相関性の高いもの同士でマッピングしてしまうと、有効な分析結果につながりません。
以上の注意点を踏まえた上で、ポジショニングマップを作成し、自社が取るべきポジションを明確化していきましょう。