3C分析とは、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)自社(Company)の頭文字をとった分析手法です。
元マッキンゼー・アンド・カンパニー、現ビジネスブレークスルー代表の大前研一氏が提唱したフレームワークで、1982年にアメリカのマグロウヒル社から刊行された”The Mind of the Strategist”で広く知られるようになりました。
3C分析を行う目的は何かというと、市場・顧客(Customer)を知り、競合(Competitor)がユーザーに対してどのような価値を提供しているかを理解することで、自社(Company)にとっての成功要因(KSF)を導き出すことです。
それでは、自社サービスがその市場において生き残れるかどうかを左右する、最も大きな要因は何でしょうか?究極的には市場・顧客(Customer)からの支持を得られるかどうかが全てです。
「競合より品質が良い」「競合よりも安価である」「競合よりもサポート体制が充実している」などは、もしも事実であれば競争を有利に進めるための要素になり得ますが、結局のところ市場・顧客からそのような認知を獲得できていなければ、良い結果にはつながりません。
当然のことではありますが、すべてはお客様が判断することなのです。
「自社の強み」についても競合業者との相対評価によって決まるものです。例えば運送会社による「即日配達サービス」が世に出た当初は、恐らく圧倒的な強みとして大いに市場から歓迎されたことでしょう。しかし現在は珍しくも何ともありませんので、もはや強みとは呼べません。
そのため、3C分析を進めるにあたっては必ず市場・顧客(Customer)⇒競合(Competitor)⇒自社(Company)の順番で分析を進めるようにします。これを「分かりやすいから」という理由で自社から始めてしまうと、顧客視点や同業他社視点を見失ってしまう可能性がありますので注意が必要です。
3C分析の市場分析では、「自社のターゲットはどこにいるのか?」「ターゲットのニーズ・ウォンツはどのようなものか?」を考えていきます。その他「PEST分析」を使ってトレンドの把握に努めたり、ファイブフォース分析などを用いてミクロ分析を行うことも有効です。
次に、競合(Competitor)の分析に進みます。例えば競合のWEBサイトを見て、どのような打ち出し方や訴求を行っているか?それに対して、自社の優位性を示すにはどうすれば良いか?ということを検討していきます。
あと、このステップで気をつけなければならないこととして、いわゆる「直接競合」だけではなく「間接競合」にも注意を向ける必要があります。
例えば街中にある「スーパーA店」にとっての直接競合は、通りを挟んだ向かい側にある「スーパーB店」かもしれません。
それではA店はB店のことだけ考えていれば良いのかというと、今はAmazonなどでも食料品や日用品が簡単に手に入る時代ですよね。
顧客には様々な選択肢が用意されている現状を理解し、直接競合だけでなく、間接競合も見据えた上で、自社の強みに繋げていくことが重要です。
最後、自社(Company)の分析を行うにあたっては、これまでに書きだした要素を踏まえ、どのようなポジショニングをすればユーザーにとっての価値につなげられるか?という視点で分析を行っていきます。