マーケティングにおけるSTPとは、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の3つの頭文字をとったもので、経営学者であるフィリップ・コトラー氏が提唱しました。
コトラー氏はSTPに関して、「効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法」として紹介しています。
分かりやすく日本語に置き換えると、STPとは…
セグメンテーション=市場を細分化する
ターゲティング=狙うべき市場を決定する
ポジショニング=自社商品の立ち位置を明確にする
というステップになります。
まず今回は「S」のセグメンテーション(Segmentation)から解説致します。
例えば…
「世界中のみんな」⇒「港区にお住いの方」
「美しくなりたい方」⇒「ニキビでお悩みの方」
という風に細かく、具体的に考えていきます。
なぜこのようなことを考える必要があるのでしょうか?
もちろん「世界中の人々を相手に商売をしたい」と考えるのは個人の自由ですが、よほど資金力があったり、革新的な商品でない限りは難しいでしょう。現代は供給過多の時代であり、あらゆる商品がコモディティ化しているからです。
「どこにでもある商品」であれば最終的に行き着くところは「価格競争」です。そうなると、資金力に優位性のある大企業しか生き残れません。
そこで、重要になってくるのが「セグメンテーション(市場を細分化する)」という考え方です。様々な角度から市場調査し、切り口を見つけていきます。
セグメンテーションに用いられる変数としては、主に次の4つが使われます。それは「人口動態変数(Demographic Variables)」「地理的変数(Geographic Variables)」「心理的変数(Psychographic Variables)」「行動変数(Behavioral Variables)」です。
それぞれについての解説は以下をご参照下さい。
人口動態変数(Demographic Variables)
「年齢、性別、家族構成、家庭のライフサイクル、所得水準、職業、学歴、宗教、人種、国籍など」
地理的変数(Geographic Variables)
「地方、気候、人口密度、都市化の進展度、政府による規制、文化、顧客の行動範囲など」
心理的変数(Psychographic Variables)
「価値観、趣向、ライフスタイル、心理的特徴など」
行動変数(Behavioral Variables)
「購買動機、購買パターン、購買の状況、経路、使用頻度など」
これらの要素を考えながら、市場を細分化していきます。