参入障壁とは、特定の市場に新規参入する会社にとって、参入を妨げる要素の事です。
具体的な参入阻止要因としては、既存企業が備える優位性(規模の経済性、ブランド力、技術力、スイッチング・コストの高さなど)や法規制などが挙げられます。
一方、既存企業にとっては参入障壁の高さが、新規参入の脅威を測る指標になります。新規参入が多ければ多いほど一般的に市場競争は激化し、収益性も低下するため、既存企業には意識的に参入障壁を築こうとするインセンティブが働きます。
それでは、参入障壁の高い業界とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
例えば、「鉄道業界」や「製薬業界」などが挙げられるでしょう。少しイメージして頂くと分かると思いますが、どちらも新規参入に莫大なコストがかかります。
反対に参入障壁が低い業界はというと、例えば「せどり」や「アフィリエイト」などが挙げられます。初期投資がほとんどかからないため、新規参入者が後を絶ちません。その代り、競争も激しいです。
最後に、「競争の戦略」の著者であるマイケル・ポーター(Porter,M.E.)氏が提唱する、「参入障壁の規模を測る具体的な指標」として以下の8つをご紹介します。
・規模の経済性が働くか
・製品の差別化が存在するか
・巨額の投資が必要か
・仕入れ先を変更するコストは大きいか?
・流通チャネルの確保は難しいか?
・規模の経済性以外のコスト面での不利な点が存在するか?
・政府の政策による参入の制限や規制が存在するか?
・参入に対し強い報復が予想されるか?
是非ご自身のビジネス環境に当てはめて考えてみてください。